自動車の低故障率で独車の優勢一段と

テュフ・ズードなどドイツの技術監査協会が加盟する業界団体VdTUEVが発表した自動車の故障に関する最新レポート(TUEV-Report 2019)によると、2017年7月~18年6月の1年間に行われた車検で重大な故障が見つかった車両の割合は21.2%で、前年から1.3ポイント上昇した。低故障率のトップ10をブランド別でみると、ドイツ車の数が一段と増加。「壊れにくい車」としてこれまで定評の高かった日本車の数は近年、減少傾向にある。

車齢2~3年の部門で重大な故障率が最も低かったのはポルシェ「911」で、2.5%にとどまった。トップ10に入った12モデル(10位が3モデル)のうちのうち11モデルをドイツ車が占めており、同国メーカーの品質競争力は高まっているもようだ。輸入車でトップ10入りを果たしたのは現代「i20」だけで、日本車はトヨタ「ヤリス」の16位が最高だった。

数年前のデータと比較すると、日本車が低故障率ランキングで順位を落としていることが鮮明になる。11年6月~12年7月の統計では車齢2~3年のトップ10に入った日本車は6モデルで、ドイツ車の4モデルを上回っていた。これが昨年は「マツダ2」(5位)のみに減少。今年はトップ10に1台も入らなかった。

トップ10入りを果たした日本車が最も多かったのは車齢10~11年で、3モデルだった。ただ、昨年は6モデルに上っており、日本車の減少は鮮明だ。

車齢2~3年から10~11年までの全部門を合計すると、トップ10入りしたドイツ車の総数は昨年の36モデルから41モデルへと拡大。日本車は11モデルから9モデルへと減少した。

トップ10入りする日本車が大幅に減っている最大の理由は、トヨタ車が全般的にランクダウンしたことにある。11年6月~12年7月には車齢3年未満のトップ10のうちトヨタ車が4モデルを占め、4~5年と6~7年でもそれぞれ3モデル、5モデルと多かった。今回の統計では昨年同様、7年未満の3部門でトヨタ車はトップ10に1台も入っていない。

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