電機業界の受注、減少幅7%に拡大

独電気電子工業会(ZVEI)が7日発表した独業界の4月の新規受注高は前年同月比7.0%減となり、減少幅は前月の同2.8%から大幅に拡大した。イースター休暇のほか、景気減速や通商摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱が響いた格好で、ユーロ圏外と国内の受注がそれぞれ8.1%減、8.0%減と振るわなかった。ユーロ圏(ドイツを除く)は2.8%減だった。

1~4月の新規受注高は前年同期を1.8%割り込んだ。ユーロ圏外が3.5%、ユーロ圏が1.9%、国内が0.5%の幅で減少した。

4月の業界生産高は前年同月を物価調整後の実質1.7%下回った。1~4月も前年同期比2.2%減と振るわなかった。

5月の生産計画(先行き3カ月)で拡大を予定する企業の割合は前月の21%から19%へと低下した。縮小が同11%から20%へと急増したことから、拡大から縮小を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)はプラス10ポイントからマイナス1ポイントへと大幅に悪化した。DIが2ケタ台のマイナスとなったのは電線(-47.5ポイント)、計測機器・プロセスオート(-17.5ポイント)、照明(-17.3ポイント)、情報機器(10.0ポイント)の4部門。通信機器(+47.8ポイント)と医療機器(+41.2ポイント)は拡大回答が縮小回答を大幅に上回った。

4月の業界売上高は151億ユーロで、前年同月を0.1%上回った。ユーロ圏が3.0%増の30億ユーロへと拡大して全体が押し上げられた格好。国内は0.9%減の71億ユーロ、ユーロ圏外は0.8%減の50億ユーロへと落ち込んだ。

1~4月の業界売上高は626億ユーロで、前年同期を1.0%上回った。国内が0.8%増の295億ユーロ、ユーロ圏が1.6%増の123億ユーロ、ユーロ圏外が1.0%増の208億ユーロと3地域すべてで拡大した。

5月の業界景況感指数は前月の3.5から4.7へと上昇し、3カ月ぶりに改善した。今後の見通しが好転。現状判断はやや悪化した。

景況感指数が特に良好だったのは景気変動の影響が小さい医療機器と、娯楽家電。配線システムと電子部品、照明は振るわなかった。配線システムと電子部品は今後の見通し、照明は現状判断が足を強く引っ張った。

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