独電力大手のRWE
は、ニーダーアウセム(ケルン近郊)にあるイノベーションセンターに下水汚泥からリンを回収するための試験設備「マルチ燃料変換プラント(MFC:Multi-Fuel-Conversion)」の設置を計画している。MFCでは、リンだけでなく、炭素を回収できるほか、合成ガスも生成することができる。2020年春にこのパイロットプラントの一部が設置され、2021年夏にMFC全体が稼働する予定。リンの埋蔵量は有限であり、中国、モロッコ/西サハラ、米国、ロシアなどで採掘されているが、リンは下水汚泥など有機廃棄物からも抽出することができる。MFCでは、下水汚泥、汚泥灰、褐炭の混合物を酸素が極めて少ない状態で摂氏1,500度の高温で処理する。このような方法でガス状のリンを抽出し、リン酸に加工する。MFCではこのほか、炭素も二酸化炭素(CO2)と水蒸気に変換され、回収することができる。さらに、一酸化炭素(CO)と水素の混合による合成ガスが生成される。この合成ガスは化学産業向けの原料として使用することができる。