独自動車大手のダイムラーは1月16日、商用車部門ダイムラー・トラックス&バスズが純粋な電気駆動の低床式トラック、メルセデスベンツ「eエコニック(eEconic)」を開発していると発表した。「eエコニック」は主に市街地でのごみ収集車としての使用に適している。2021年に一部の自治体系事業者で実用試験を開始し、2022年から量産を開始する計画。「eエコニック」は、2021年に量産を開始するメルセデスベンツの大型EVトラック「eアクトロス」をベースに開発している。
ごみ収集車は、走行距離が最大で約100キロメートルと短く、走行ルートも決まっているため、電気自動車の使用に適している。また、発進と停止を繰り返すため、ブレーキエネルギーを回収して充電し、走行距離を延ばすことができる。さらに、「eエコニック」は、走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しないエミッションフリーの走行が可能で、走行音も静かなため、市街地でのごみ収集作業での使用に適している。
ダイムラーの商用車部門は2039年までに欧州、日本、NAFTA(北米自由貿易協定)圏で販売するすべての新モデルを走行時(tank
to
wheel)にCO2を排出しないカーボン・ニュートラルとする目標を掲げる。2022年までには、主要市場である欧州、米国、日本の車両ポートフォリオにバッテリー式電気自動車(EV)の量産車を含めることを計画している。さらに、2020年代の終わりまでに、水素駆動の量産車の投入も目指している。
この取り組みを加速するため、ダイムラーの商用車部門では、技術や車両アーキテクチャの共通化を進めており、「eエコニック」では「eアクトロス」をベースにしている。