ギリシャが観光客受け入れ再開、日本など29カ国対象に

ギリシャ政府は5月29日、新型コロナウイルス感染防止対策として導入している外国人の入国制限を緩和し、6月15日から日本を含む29カ国からの観光客を受け入れると発表した。同国経済を支える観光業の新型コロナ危機による打撃を抑えるため、夏の観光シーズンを前に再開させる。

観光客の入国が認められるのはドイツ、オーストリア、デンマークなどEU16カ国と日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、ノルウェー、イスラエルなど。首都アテネまたは北部テッサロニキへの直航便を利用する場合に限られる。観光省によると、旅行者を通じた国内での新型コロナ感染拡大を防ぐため、空港で無作為の感染検査を実施する。

ギリシャは欧州諸国の中でも早い時期に観光客の入国制限を含むロックダウン(封鎖)措置を導入。これが奏功し、これまでの感染者は約2,900人、死者は約170人と被害が比較的小さい。

観光業はギリシャの国内総生産(GDP)の2割を占める重要産業。政府はロックダウンで大きな打撃を受けた観光業を支えるため、稼ぎ時の夏季シーズンに観光客を締め出すことはできないと判断し、入国制限緩和に踏み切った。多くの観光客を送り出すフランス、英国、米国などは感染リスクが高いと判断し、制限を継続するが、7月1日までに受け入れ対象国を拡大する方針だ。

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