イタリア政府は24日、新型コロナウイルスの影響で経営が悪化している欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)に融資保証を行うと発表した。これによってFCAは伊最大手銀行インテーザ・サンパオロから63億ユーロの緊急融資を受けることが決まった。
同融資の期間は3年。政府が経済財政省傘下の輸出信用保険会社を通じて、融資額の80%を保証する。新型コロナ危機に際して欧州の自動車メーカーが受ける公的支援としては最大規模となる。
同支援をめぐっては、FCAが伊フィアットと米クライスラーが合併して誕生した企業で、生産拠点の多くが伊国内にあるものの、親会社が本社をオランダに置き、しかも仏グループPSAと経営統合で合意していることから、国内では異論も出ていた。
しかし、FCAが融資をイタリア事業に限って使い、国内のサプライヤーにも提供することや、雇用維持、投資拡大を約束したことから、会計監査院が承認。支援実施にこぎ着けた。