EU統計局ユーロスタットが14日に発表したユーロ圏の7月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比4.1%の上昇となり、3カ月連続で伸びを記録した。ただ、上げ幅は前月の9.5%から大きく縮小。新型コロナウイルス対策として導入された外出・営業制限の緩和を受けて改善は続いているものの、回復のペースが落ちている。(表参照)
同指数は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3、4月にそれぞれ11.6%、18.0%のマイナスとなり、2カ月連続で過去最悪を更新。経済・社会活動を厳しく制限する措置が緩和された5月に12.2%上昇と急回復していた。
分野別では中間財が4.2%、エネルギーが1.1%、資本財が5.3%、耐久消費財が4.7%、非耐久消費財が3.9%の幅で上昇した。
EU27カ国ベースの鉱工業生産指数も4.1%上昇した。データが出そろっている24カ国ではベルギー、デンマーク、ラトビアを除いてプラスだった。主要国の上げ幅はスペインが9.4%、イタリアが7.4%、フランスが3.8%、ドイツが2.4%となっている。
一方、前年同月比ではユーロ圏が7.7%、EUが7.3%のマイナス。下げ幅はそれぞれ前月の12%、11.3%から縮小したものの、依然として不振が続いている。