欧州連合(EU)の欧州委員会は9日、独バイオ医薬品会社ビオンテックと米製薬大手ファイザーが共同開発している新型コロナウイルス用ワクチンの調達に向けた予備的交渉を終えたと発表した。開発に成功すれば、最大3億回分のワクチンの供給を受けることで基本合意した。
両社はメッセンジャーRNA(mRNA)を利用した新型コロナのワクチン開発を進めている。欧州委によると、まず2億回分を調達。追加で1億回分を調達する権利を持つ。
EUがコロナ用ワクチン調達について何らかの形で合意した案件は、英グラクソ・スミスクライン(GSK)と仏サノフィの連合、英アストラゼネカ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、独キュアバック、米モデルナに次ぐ6件目となる。
ビオンテックとファイザーによると、同ワクチンをめぐる1回の受注量としては、EUとの契約が最高規模。順調にいけば同ワクチンの認可を10月にも申請し、年末までに最大1億回分を世界中に供給することを目指している。21年末までに供給を13億回分程度まで増やす計画だ。
EU向けのワクチンはビオンテックの独国内の拠点、ファイザーのベルギーにある拠点で生産する。