独電気電子工業会(ZVEI)は9日、独電機業界の生産高と売上高が今年は前年比で7~8%減少するとの予測を発表した。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う危機は底を打ったものの、回復のスピードは鈍いと予想している。ZVEIが会員企業を対象に今月実施したアンケート調査では、低迷期間が比較的長くその後緩やかに回復する「U字回復」を予想する企業の割合が76%に達した。「V字回復」は16%にとどまる。
現時点で回復をけん引している地域はアジアだ。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)で自社の業績が「回復している」との回答は58%に達し、「悪化している」は3%にとどまった。ドイツ本国も回復(33%)が悪化(21%)を大きく上回っている。欧州は回復が26%、悪化が22%。北米は悪化が45%に達し、回復は10%に過ぎなかった。
コロナ危機に伴い人員削減を計画している企業は51%と過半数に達した。その一方で、生産能力については64%が削減しないと回答している。
米国と中国の通商・技術・体制をめぐる争いがさらにエスカレートした場合、影響を受けると予想する企業は81%に達した。ただ、70%は「影響は軽微」としており、「深刻な影響を受ける」は11%にとどまった。これを反映し、「米中紛争を受けて中国から他の国に事業を移管しますか」との質問に91%が「いいえ」と答えている。