伊ウニクレディト、国有銀買収巡る政府との交渉決裂

イタリア政府と同国大手銀行のウニクレディトはこのほど、ウニクレディトによるバンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(BMPS)買収に向けた交渉が決裂したと発表した。政府は国有化したBMPSをウニクレディトに売却し、再民営化する方針で財務省が同行と協議を続けてきたが、条件で折り合わなかった。

BMPS は国内3位の銀行。巨額の不良債権が経営を圧迫しており、欧州中央銀行(ECB)がEU内の主要銀行を対象に実施した2016年のストレステスト(健全性審査)で資本不足と判定され、政府が2017年に54億ユーロの公的資金を注入して救済し、国有化していた。

政府はEUから救済の条件として、21年末までにBMPSを再民営化することを求められ、財務省が1年ほど前にウニクレディトとの交渉に着手した。ロイター通信などが報じた消息筋の情報によると、交渉では売却額をめぐり双方に大きな開きがあったほか、ウニクレディトが買収の条件として求めたBMPSに対する多額の追加資本注入に財務省が応じず、話し合いが物別れに終わり、24日に交渉打ち切りが発表された。

政府はEUに再民営化の期限延長を要請する方針だ。

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