EUの欧州議会は18日に開いた本会議で、先ごろ死去したサッソリ議長の後任となる新議長に、マルタ出身のロベルタ・メツォラ氏(43)氏を選出した。女性議長は3人目。史上最年少の議長となる。任期は2年半。
メツォラ氏は欧州議会で最大会派の中道右派・欧州人民党(EPP)に所属している。11日に死去したサッソリ氏は第2会派の中道左派・欧州社会・進歩連盟(S&D)に属していた。サッソリ氏の就任時に両会派が、5年間の任期の半ばで議長職をEPPに譲る取り決めを結んでいたことから、メツォラ氏は1回目の投票で過半数の票を確保し、当選が決まった。
同氏は2013年に欧州議会の議員に初当選。20年から副議長を務めていた。女性の議長就任は、02年に退任したフォンテーヌ議長(フランス出身)以来20年ぶり。18日に43歳誕生日を迎えた。
厳格なカトリックの国であるマルタは、EU加盟国の中で唯一、人工妊娠中絶を禁止しており、同国出身のメツォラ氏は昨年、欧州議会が全加盟国に中絶を人権として認めるよう求める決議を採択した際に反対票を投じ、批判を浴びた。同氏は議長選出後の記者会見で、同問題に関して、欧州議会の見解を尊重すると述べるにとどまった。