独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)と自動車部品大手ボッシュは18日、電池製造装置の合弁会社を検討することで基本合意したと発表した。欧州で電気自動車(EV)普及が広がり、電池需要が大幅に増えるのが確実となっていることを踏まえたもの。年末までに新会社設立の準備を整える。VWの部品部門を統括するトーマス・シュマル取締役(技術担当)は、「“メイドインヨーロッパ”の電動モビリティ向けの全面的に現地化された欧州サプライチェーンを構築することに取り組む。経済史上の歴史的なチャンスだ」と述べた。
新会社では総合的な電池生産システムを顧客メーカーに販売するほか、立ち上げ支援、メンテナンスサービスを行う。標準化された設備を提供し、顧客が価格と技術面で主導権を握れるようにする。ボッシュは工場自動化とシステム統合、VWは電池セル分野でそれぞれ強みを持ち寄る。
VWはここ数年、電気自動車(EV)の性能、コスト面で決定的に重要な電池セルの開発・生産事業に合弁や提携を通じて参入している。活動領域をさらにセル製造装置分野へと広げると、電池バリューチェーンの垂直統合は一段と高まることになる。
欧州では域内外の様々な企業が電池セルの生産を計画している。両社のプレスリリースによると、同地のセル生産能力は2030年までに約700ギガワット時(GWh)に達する見通しだ。