ドイツ連邦統計局が4月29日発表した3月の輸入物価指数は前年同月比31.2%増となり、1974年9月以来の大きな上げ幅を記録した。ロシアのウクライナ侵攻(2月24日開始)が反映された格好で、上げ幅は前月の同26.3%から4.9ポイントも拡大した。
エネルギー価格は160.5%上昇した。天然ガスの上げ幅は統計開始後の最高の304.3%を記録。電力は同440.8%と5.4倍に膨らんだ。原油は81.3%、石油製品は110.3%、石炭は307.0%だった。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の上昇率が16.1%(前月14.7%)だった。
中間財の上げ幅は前月の24.3%から26.3%に拡大した。上昇率は特に肥料・窒素化合物(182.9%)、アルミニウム(76.7%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(60.0%)、プラスチック(29.3%)などで大きかった。
投資財も上げ幅が前月の6.2%から6.7%へと拡大した。特に機械(7.0%)、自動車・自動車部品(5.1%)で大きく上昇した。
耐久消費財は0.3ポイント増の6.6%へと膨らんだ。
非耐久消費財は同10.5%となり、前月(9.2%)を1.3ポイント上回った。食料品は18.2%で、動植物性油種は38.5%、食肉・肉製品は18.4%に上った。
農産物は23.7%(前月22.8%)上がった。コーヒー生豆が69.6%、穀物が53.6%上昇。これまで大幅下落が続いていた豚も16.3%高くなった。
輸入物価指数は前月比では5.7%増となり、上げ幅は前月の1.3%から大きく拡大した。
3月の輸出物価指数は前年同月を15.9%上回り、74年11月以来の大きな上げ幅を記録した。物価全体に占める比重が約3分の1に上る中間財が19.9%(18.1%)上昇し、水準を強く押し上げた格好だ。上げ幅は金属で37.8%(11.7%)、化学原料で31.6%(13.8%)に上った。輸出物価の前月比の上昇率は4.0%となり、前月(1.0%)の4倍に拡大した。