ドイツ連邦統計局が11日発表した4月の消費者物価指数(確定値)は前年同月比7.4%増となり、インフレ率は東西ドイツ統一後の最高を2カ月連続で更新した。サプライチェーンのひっ迫で物価が高騰していたところに、ロシアのウクライナ侵攻が追い打ちをかけた格好だ。上げ幅はエネルギーで特に大きいが、食料品などそのほかの分野にも広がっている。
エネルギーの上昇率は35.3%に上った。灯油が98.6%、天然ガスが47.5%、自動車燃料が38.5%、電力が19.3%を記録。エネルギーを除いたインフレ率は4.3%だった。
食料品は8.6%に上った。ひまわり油の主要産地であるウクライナが戦場となったことから、食用油の買いだめが発生。食用油脂の価格は27.3%上昇した。食肉・肉製品は同11.8%、乳製品・卵は9.4%、生鮮野菜は9.3%だった。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は3.8%。
食料品以外の物品で上げ幅が特に大きかったのは自動車と情報処理機器で、それぞれ8.9%、8.0%に上った。
サービスは3.2%の上昇だった。上げ幅は住宅修理で12.2%、自動車修理で6.1%と大きい。電気通信は1.1%低下した。
前月比のインフレ率は0.8%に上った。イースター休暇の影響でパックツアーが17.6%上昇。食料品も3.6%高くなった。
一方、エネルギーは3.1%低下した。石油製品が下落。下げ幅は灯油で20.3%、自動車燃料で5.7%に上った。天然ガスと電力はそれぞれ3.9%、1.3%上昇している。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が7.8%、前月比が0.7%だった。