燃料電池列車の初走行試験、DBとシーメンスが実施

ドイツ鉄道(DB)と電機大手シーメンスは9日、共同開発中の水素燃料電池列車の初走行試験を独西部のヴェークベルク市にあるシーメンスのテストセンターで実施した。DBは2040年までの炭素中立実現を目指しており、近距離交通で使用しているディーゼル列車を燃料電池列車に置き換えていく計画。テスト車両はベルリンで開催される鉄道技術見本市「イノトランス2022」(20~23日)で公開される。

シーメンスのローカル電車「ミレオ・プラス」を燃料電池仕様に改良した「ミレオ・プラスH」の試験運転を行った。燃料電池とリチウムイオン電池を搭載する同列車は航続距離が約1,000キロと長い。最高速度は時速160キロ。今回の試験では走行後に新しい燃料補給方式のテストも実施した。

両社はミレオ・プラスHの走行テストを来年、西南ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州で実施する。24年からは同地のテュービンゲン、ホルプ、プフォルツハイムを結ぶ区間で乗客輸送に投入する計画。同区間の走行では二酸化炭素(CO2)の排出量を年およそ330トン削減する見通しだ。同車両は20万キロの走行でCO2排出量を最大520トン減らすことができる。

「H2ゴーズ・レイル(H2goesRail)」と命名された同プロジェクトは「国家水素・燃料電池技術イノベーションプログラム(NIP2)」の枠組みで連邦デジタル・交通省から補助金1,374万ユーロを受給する。

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