自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が19日発表した11月のグループ新車販売台数は前年同月比9.1%増の67万2,300台となり、4カ月連続で拡大した。足元の西欧と南米、アジア太平洋、中東・アフリカで大きく増加。そのほかの地域の不振が相殺された。
伸び率が最も大きかったのは前月に引き続き西欧で、32.1%増の24万7,700台を記録。南米(20.9%増の4万6,100台)、中国を除くアジア太平洋(24.1%増の2万9,900台)、中東・アフリカ(31.1%増の2万4,500台)も伸び率が2ケタ台に達した。中国は7.7%減の22万3,500台、中東欧は5.4%減の3万6,700台、北米は4.5%減の6万3,900台と振るわなかった。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は5.7%増えて58万400台となった。主力のVWブランド乗用車が4.1%増の35万9,900台、シュコダが0.6%増の5万9,400台、セアト/クプラが15.5%増の3万100台、VWブランド商用車が30.7%増の3万1,000台とすべて前年同月を上回った。
高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は22.7%増の13万5,900台で、主力のアウディは23.2%増の13万4,100台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は6.0%増の2万7,600台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は2万8,400台で、前年同月を13.4%上回った。MANが33.6%増の9,900台、ナビスターが19.4%増の6,300台、スカニアが3.4%増の8,300台と好調だった。VWトラック・アンド・バスは9.6%減の4,000台となり、3カ月連続で落ち込んだ。
1~11月のグループ販売台数は742万500台で、前年同期を9.2%下回った。7月までの不振が響いた格好で、中国を除くアジア太平洋が5.6%増えた以外はすべて減少。減少幅は西欧で7.3%、中東欧で33.7%、北米で9.1%、南米で10.3%、中国で6.0%、中東・アフリカで18.7%に上った。ブランド・グループ別ではトレイトン(11.7%増)とスポーツ車(2.9%増)が増加。大衆車は11.3%減、高級車は6.0%減だった。