レオニ―財務立て直し計画に狂い、タイ企業への事業売却破談で―

経営再建中の独自動車部品大手レオニは13日、自動車用標準・特殊電線事業をタイ同業のスターク・コーポレーションに売却する契約がクロージング直前にスタークによって破棄されたと発表した。売却益を、債務の返済を含む財務の立て直し計画に組み込んでいたレオニにとっては晴天の霹靂。同社はスタークに対し法的措置を取ることを検討している。

レオニは5月、自動車用標準・特殊電線、充電ケーブルなどを手がける「オートモティブ・ケーブル・ソリューション(AM)」事業をスタークに譲渡することで合意した。同事業の価値を5億6,000万ユーロと評価して取引を実施。債務と年金負担を引いた4億ユーロ強が売却益としてレオニに入ることになっていた。

だが、スターク側はクロージング直前になって契約の大幅な見直しを要求。レオニは譲歩案を示したが、スタークが拒否したことから取引が不成立となった。メディア報道によると、スタークは取引価格の大幅引き下げを要求したという。

レオニはスタークへの事業売却合意が成立したことを受け6月、増資を含む債務返済計画をシンジケート団、債権者との間で取り決め、2025年までの資金繰りにめどをつけていた。だが、同計画の前提であるスタークへの事業売却が白紙化されたことから、計画の練り直しが避けられなくなっている。シンジケート団からは12月末が期限となっている融資返済の延長が認められたという。

レオニがAM事業を今後、どうするかは未定だ。広報担当者はメディアの問い合わせに、買収に関心を示す投資家が多いことを指摘。売り急ぐ考えはないことを明らかにした。

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