独農業機械大手フェントは2月27日に同国南部のシュトラウビングで開催された地元バイエルン州政府のイベント(水素サミット)で燃料電池トラクターのプロトタイプ第1号を初公開した。同トラクターは独北部ニーダーザクセン州ハーレンで行われる農業向け水素インフラ研究プロジェクト「H2アグラール」に投入される。
H2アグラールはニーダーザクセン州が費用の60%を負担して2024年4月まで行われるプロジェクトで、農機での水素利用の可能性を調査。農業向け水素インフラ構築を目指す。水素は風力発電由来の電力で製造される。
フェントは燃料電池トラクターのプロトタイプ2台を4月から農家に提供。実際の使用環境下で水素消費量を調査する。また、水素インフラに必要な技術的な要件を明確化する。これらの知見をもとに農業用車両の二酸化炭素(CO2)排出削減の研究を先に進める意向だ。