独投資会社ムタレスが傘下の自動車部品3社を統合し新会社を設立する。ヨハネス・ラウマン取締役(最高投資責任者=CIO)が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたもので、売上高12億ユーロの大手プラスチック部品メーカーが誕生する。今週中に正式発表する予定だ。
新会社アマネオス(Amaneos)をフランクフルトに設立する。世界20カ国に拠点を持ち、すべての大手自動車メーカーに製品を供給する。雇用規模は7,500人で、ドイツはそのうち2,000人強を占める。
アマネオスに統合されるのはSFCソリューションズ、LMS(ライト・モビリティ・ソリューションズ)、モールドテックスの3社。SFCは米クーパー・スタンダードから買収したポーランド、イタリア、スペイン、インド事業、LMSはカナダ・墺資本のマグナから買収した外装部品事業、モールドテックは独マン・ウント・フンメル(M+H)から買収したパワートレイン向けエンジニアリングプラスチック部品事業を会社化したものだ。これら3社を統合することで、マグナやレッヒリング、アードラー・ペルツァー、ポリテック、フォルシア、プラスチック・オムニウムと張り合える企業を創設する。
新会社が手がける部品の80~85%は電動車でも使われるものであるため、自動車業界のトランスフォーメーションに対応できる。新規受注の多くはすでに電動車関連となっており、過去6カ月間ではボルボの電動車向け部品が最大の受注だという。
ムタレスは新会社を中期的に株式市場でデビューさせる考えだ。設立2年後以降にタイミングを見計らって新規株式公開(IPO)を実施する。フランクフルト証券取引所を念頭に置いている。