欧州連合(EU)の欧州委員会は4月26日、医薬品規制の改正案を発表した。新薬へのアクセス、価格をめぐる域内の格差を是正し、医薬品でも「EU単一市場」を実現するのが目的。安価な後発医薬品(ジェネリック薬)が早く域内に出回るようにするため、新薬の特許期間を短縮するのが柱となっている。
EUで現在、新薬の特許が保護される期間は10年間。欧州委案では、これを8年に短縮し、ジェネリック薬を早く投入できるようにする。新薬がEU当局の販売承認を得てから2年以内にEU27カ国で販売された場合は、保護期間の2年延長を認める。
今回の医薬品規制改見直しは、20年ぶりの大規模な改正。欧州委と欧州議会、加盟国が詳細を詰める。製薬会社の間では、新薬特許期間の短縮について、イノベーション、新薬開発を推進する意欲をそぎ、投資の減少、拠点の域外への移転といった弊害を招くと批判する声が出ている。