半導体大手の独インフィニオンは9日、台湾の電子製品受託生産大手フォックスコン(富士康)と長期パートナーシップを締結することで基本合意したと発表した。高性能で価格競争力のあるSiC(炭化ケイ素)半導体製品を共同開発する。
具体的には、高電圧電池パックからモーターへのエネルギーの流れを管理してホイールの回転と車両の推進を行うトラクション・インバーター、住宅などの交流電源を直流電源に変換して車載電池の充電を行うオンボード・チャージャー(OBC)、直流の電圧を変換するDC-DCコンバーターなどにSiC技術を実装する。インフィニオンは自動車システムに関する知見やSiC製品、フォックスコンは電子設計、製造、システムレベル統合のノウハウをそれぞれ持ち寄る。
協業を拡大するため、両社は台湾にアプリケーションセンターを設置する意向だ。スマート・キャビン・アプリケーションや運転支援システムを含む車載アプリケーションの最適化に取り組む。年内の開設を見込んでいる。