独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディはこのほど、リチウムイオン電池の研究開発や試験生産を行うための「高電圧電池プロジェクトハウス」を開設した。パナソニックがリチウムイオン電池セルのサプライヤーとして同プロジェクトに参加する。
\このプロジェクトハウスは、アウディの本社があるインゴルシュタットから約2キロメートル離れたガイマースハイムに建設した。2010年4月に着工し、今年5月に完成したばかり。アウディは同ハウスの運営に向け、電子工学の専門家約100人を新たに雇用した。
\プロジェクトハウスでは重要な研究開発ターゲットとして、◇セル、モジュール、システムの試験◇プロトタイプの開発や小規模生産◇ハード・ソフトウエアの設計・開発(全部品を対象とする)◇アウディが開発中の電気自動車「R8 eトロン」および「A1 eトロン」に搭載するバッテリーの開発・生産――の4点を挙げている。
\アウディのフランク・トレヴェス生産担当取締役はプロジェクトハウスの開設について、「量産化へのプロセスを迅速かつ確実に進めるためには、製品開発の初期段階から生産工程も考慮して開発を進めることが不可欠である」と述べ、今後の成果に期待感を示している。
\ \■ ハンガリーの新工場で上棟式
\ \アウディは11日、ハンガリー北西部のジュール工場の生産能力を増強するために建設している新工場の上棟式を行った。
\新工場はプレス加工から車体製造、塗装、組み立てまでを行うことができる一貫生産拠点となる。同工場で最初に生産するのは「A3」の派生モデルとなる予定。今回の拡張工事により、ジュール工場の生産能力は2013年から年12万5,000台となる予定。
\アウディによると、ジュール工場では第1四半期(1~3月)に、エンジンを前年同期比11%増の52万2,010基、車両(アウディ「TT」、「A3カブリオレ」、「RS3スポーツバック」)を計1万1,253台生産した。
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