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2012/9/7

企業情報 - 部品メーカー

独ボッシュ、サムスンとの合弁解消

この記事の要約

独自動車部品大手のボッシュはこのほど、韓国サムスンの子会社サムスンSDIと設立したリチウムイオン電池の合弁会社SBリモーティブを解消すると発表した。今後はハイブリッド車や電気自動車向けのリチウムイオン電池事業を独自に拡大 […]

独自動車部品大手のボッシュはこのほど、韓国サムスンの子会社サムスンSDIと設立したリチウムイオン電池の合弁会社SBリモーティブを解消すると発表した。今後はハイブリッド車や電気自動車向けのリチウムイオン電池事業を独自に拡大していく方針を示している。

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両社の合弁解消については以前から憶測が出ており、サムスン側がこれまで事業展開してきた携帯電話など消費財向けの電池とボッシュが注力する自動車向けの電池では製品・投資サイクルが異なることが合弁解消の理由とみられている。

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ボッシュのベルント・ボーア取締役(自動車部門担当)は新体制について、「エレクトロモビリティーは将来の潜在的成長性が極めて高く、我々はすでにさまざまなプロジェクトの立ち上げに成功しており、今後もさまざまな開発を続けていく方針だ。新体制により、市場ターゲットやスピードにおいて顧客の要望により迅速に対応できるようになり、引き続き事業の拡大にも注力していく」とコメントしている。

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SBリモーティブは韓国の蔚山に工場を持つ。これまでに独高級車メーカーのBMWやポルシェ、フィアット、部品メーカーのデルファイなどから受注を獲得している。両社は合弁会社を通して受注したプロジェクトは全て今後も継続すると説明。また、相互の特許にアクセスできることでも合意した。

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サムスンは合弁解消後も、ボッシュにセルを供給するという。ただし、独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、ボッシュはサムスン以外にもセルの調達先を広げると見られている。

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■ 欧州の協力関係を強化

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ボッシュは今後について、電気化学やリチウムイオン電池セルの製造技術に関する事業を拡大していく方針を示している。産業パートナーや大学と協力し、欧州域内にネットワークを構築する。また、自動車用電池だけでなく、定置用電池事業も視野に入れているという。将来は欧州に工場を建設する方針も示している。

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ボッシュはSBリモーティブの独子会社であるSBリモーティブ・ジャーマニーを引き継ぐ。同社はシステム開発やバッテリーマネージメントシステムやプロトタイプの製造、マーケティング、販売を事業とする。また、SBリモーティブの米子会社コバシス(Cobasys)もボッシュに統合する。コバシスはミシガン州のオリオンとオハイオ州のスプリングボロに拠点を持つ。

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同社はバッテリー事業でSBリモーティブのドイツおよび米国の子会社の300人も含め、現在、約1,100人の従業員を抱えている。

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■ 独アイゼナハにパイロットプラント

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ボッシュは昨年8月、ドイツのアイゼナハに次世代リチウムイオン二次電池のセルを生産するパイロットプラントを建設すると発表した。同プロジェクトでは、独化学大手のBASFと材料分野で、また、独鉄鋼大手ティッセンクルップ傘下のエンジニアリング会社ティッセンクルップ・システム・エンジニアリングとは生産設備の分野で協力し、材料および生産設備の分野で国内ネットワークを構築する。

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昨年夏の発表では、アイゼナハのパイロットプロジェクトは、非自動車向けのリチウムイオン電池セルの開発・生産に主眼を置いたもので、自動車向け事業を補完する形でリチウムイオン電池事業の競争力を強化すると説明していた。

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