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2012/11/2

企業情報 - 自動車メーカー

フォード、欧州の生産体制を再編

この記事の要約

米自動車大手のフォードは10月25日、欧州の生産体制の再編とコスト削減および今後の成長に向けた計画を発表した。3拠点で工場を閉鎖し、その他の欧州工場の稼働率を引き上げる。また、今後5年間で15モデルを欧州市場に投入し、ラ […]

米自動車大手のフォードは10月25日、欧州の生産体制の再編とコスト削減および今後の成長に向けた計画を発表した。3拠点で工場を閉鎖し、その他の欧州工場の稼働率を引き上げる。また、今後5年間で15モデルを欧州市場に投入し、ラインアップ拡充で販売増を目指す。

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3拠点の工場閉鎖によりフォードは従業員5,700人を削減する。すでに発表していた欧州での500人の人員削減と合わせると、フォードの欧州事業の従業員の約13%に相当する6,200人を削減することになる。

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このうち、ベルギーではゲンク工場の閉鎖により4,300人が影響を受ける。英国ではサウサンプトンの完成車工場と、ダゲナムにあるスタンピング(打ち抜き)工場の閉鎖により、計1,400人を削減する。

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ゲンク工場では、2014年末までに工場を閉鎖する計画。同工場で生産していた「モンデオ」「Sマックス」「ギャラクシー」の3モデルの生産はスペインのヴァレンシア工場に移管する。これに合わせて、ヴァレンシア工場からは「Cマックス」「グランドCマックス」の生産をドイツのザールルイ工場に移す方針。また、サウサンプトン工場で生産しているトランスポーター「トランジット」はトルコのコジャエリ県にある工場に集約する計画を打ち出している。

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生産体制の大幅な再編は、欧州市場の需要低迷と業績不振を受けた措置。フォードによると、西欧市場における自動車需要は2007年の水準から20%以上落ち込んでいる。今回の措置により、フォードの欧州工場の生産能力は18%(35万5,000台)削減されることになる。また、フォードは2012年通期で15億ドルの赤字を見込んでおり、現行体制の見直しが急務と判断した。

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■ 今後5年間で15モデルを欧州市場に投入

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業績改善に向けては、今後5年間で15モデルを欧州市場に投入する計画。欧州市場では特に、大型車やスポーツ多目的車(SUV)、商用車に需要があると見込んでいる。

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SUVでは、フルモデルチェンジした「クーガ」を今年末に発売する。18カ月以内に小型SUVを、その後に欧州域外でよく知られている中型SUV「エッジ」の市場投入を予定している。

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■ 電気自動車やフルハイブリッド車は発売を先送りも

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10月31日付けの独業界誌『オートモービルインダストリー』(電子版)によると、今回の事業再編により、電気自動車「フォード・エレクトリック」の発売は、当初予定の今年末から2013年半ばに先送りとなる見通しという。また、「Cマックス」のプラグインハイブリッド車は2014年以降となり、「モンデオ」の全輪駆動モデルもヴァレンシア工場への生産移管により、2015年以降の市場投入になると見られている。

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