欧州2位の鉄鋼メーカーであるタタ・スチールは7日、英自動車部品大手GKNと共に英国の農業機械メーカー、JCBランドパワーの次世代高性能トラクターの開発に参画したと発表した。
タタ・スチールとGKNは現在、JCBのトラクター「ファストラック4000」のシャシーの生産を手がけている。タタ・スチールによると、JCBの次世代型トラクターは、載荷能力を高め最小回転半径を減少させるとともに、米国や欧州の厳格な新排出基準に対応することが求められており、現行のシャシー構造を抜本的に見直す必要があった。3社はコンピューターを援用した革新的なエンジニアリングツールによって、可能な限り軽量化された強力なシャシー構造の開発に成功。これにより価格競争力を実現しただけでなく、シャシーの重量やサイズを増加させることなく強度と効率を向上させることができたという。
タタ・スチールは、顧客の開発プロジェクトに早期段階から参画する「EVI(Early Vendor Involvement)プログラム」を推進している。リフティング&掘削部門の責任者を務めるクレメンツ氏は、「最高の結果を出すだめには、プロダクトデザインを初期段階から最適化することが不可欠であり、我々がEVIプログラムを通じて顧客と協力して作業する理由はそこにある。JCBおよびGKNとこのような形で協力した今回が初めてであり、今回の成功がより多くの協力につながると期待している」と述べた。