ベルギーの化学大手ソルベイ傘下のソルベイスペシャルティポリマーズはこのほど、環境にやさしいリチウムイオン二次電池の生産プロセスの研究開発プロジェクト「 LIFE+ GLEE」を開始した。
リチウムイオン二次電池のカソード材料は水に弱いため、生産工程では有機溶媒が使用される。有機溶媒は、その多くが人の健康および環境に対して悪影響を及ぼす可能性があるとして欧州化学品規制REACH規則で「高懸念物質」に指定されており、代替物質の使用が推奨されている。ソルベイは、カソードの活物質を水との接触から保護する革新的なテクノロジーによって、有機溶媒の代わりに水の使用を可能にすることを目指している。実現すれば、毒性の高い溶媒を使用する必要がなくなるだけでなく、溶媒の回収や精製のためのコストを削減することができる。ソルベイはイタリアのボッラーテにあるリサーチ&イノベーションセンターにリチウムイオン二次電池の新素材のパイロットプラントを建設し、ミラノ国際博覧会が開催される2015年に稼働を開始する計画だ。