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2014/6/6

総合 – 自動車産業ニュース

スクーターによる大気汚染はトラックより深刻=スイスの研究報告書

この記事の要約

スクーターから排出される微小粒子や有害物質の量は、大型トラックやバスの最大で数千倍に相当することが、スイスの研究チームによる最新の研究結果から明らかになった。 ポール・シェラー研究所大気化学研究室がこのほど科学誌「ネイチ […]

スクーターから排出される微小粒子や有害物質の量は、大型トラックやバスの最大で数千倍に相当することが、スイスの研究チームによる最新の研究結果から明らかになった。

ポール・シェラー研究所大気化学研究室がこのほど科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した報告書によると、2ストロークエンジンを搭載したスクーターが排出する一次有機エアロゾル(POA)や揮発性有機化合物(VOC)は、他の車両クラスと比べてはるかに多く、さらに、古いタイプの2ストロークエンジンは、肺にダメージを与えることで知られる活性酸素も排出しているという。

スクーターの排ガスによる大気汚染は、中国やインドなど新興国の問題と考えられがちだが、例えば中国では1990年代後半からスクーターに対する規制が実施されており、欧州と比べ対策が進んでいる。欧州連合(EU)ではスクーターは燃料消費全体の1%以下を占めるに過ぎないが、エンジンを改良することで大気の質改善に大きく貢献することができると報告書は指摘している。

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