米自動車大手のフォードは10日、小型車「フィエスタ」を生産するドイツのケルン工場で同モデルの次世代モデルを生産すると発表した。2021年末までドイツ法人(Ford Werke)では経営上の理由による解雇を実施しない一方、柔軟な労働時間の導入や生産体制の見直しについても労使合意している。これによりドイツ法人では2017~2021年に4億米ドル以上のコスト削減を見込んでいる。フィエスタの次世代モデルについては、ルーマニアのクラヨバ工場に移管するとの憶測もあった。
ケルン工場では、これまで3交代制で行ってきた完成車の生産を2交代制とする。また、これまで部品会社に外部委託していたいくつかの生産工程を内製化する。エンジン生産では、1.0リットルエコブーストエンジンの需要拡大に対応するため、現行の2交代制を3交代制にする。さらに、ケルンのエンジニアリングセンターでは小型車の開発を強化するため従業員を500人増やす。
2021年末までの雇用確保はコンパクトカー「フォーカス」を生産するドイツのザールルイ工場にも適用される。フォードのドイツ法人は国内に約2万4,000人の従業員を抱えている。