独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコルン社長はこのほど、VWグループの中核を成すVWブランドの幹部約1,000人に向けた社内講演で、VWブランドの利益率改善が急務であるとの見解を示した。メディア報道によると、VWグループのシュコダやアウディ、ポルシェ、ベントレーなどでは営業利益率で2ケタを確保しているブランドもある一方、VWブランドの同利益率は2013年が3%弱、2014年上半期は2%以下にとどまっており、2018年の達成目標である6%を大きく下回っているという。
ヴィンターコルン社長は講演の中で、「明確で効果があり、痛みも伴う措置を講じる必要がある」と述べ、2017年から年約50億ユーロのコスト削減を実施する方針を示した。また、生産性で競合に大きく後れをとっている現実にも目を向ける必要があるとし、世界に100カ所以上ある工場は規模が大きすぎるうえ複雑で生産コストが高く、新モデルの生産開始までにかかる時間も長すぎるなどと指摘した。
目標の達成に向け、投資や固定費の削減、調達コストの改善、モデルラインアップの絞り込みなどに取り組む意向という。