独自動車大手ダイムラーの子会社である三菱ふそうトラック・バス(神奈川県川崎市)は11日、ポルトガルで電動小型トラック「キャンターEセル」の実証試験を開始したと発表した。実施期間は1年で、計8台を公共機関や宅配サービス会社などに提供する。キャンターEセルは環境への配慮から進入車両に条件を設ける都市中心部や歩行者天国などでの使用に需要があると見込んでいる。
今回の実証試験では例えば、リスボン市が同モデルを造園工事車両やゴミ収集車として使用する。このほか、ポルト市やアブランテス市も実証試験に参加している。また、宅配サービス会社のトランスポルタは近隣地区の宅配業務に、燃料運送のレン社はポルトガル近郊の町の港湾エリア内の輸送に、ポルトガル郵便公社CTTはリスボン市内の集配センター間の輸送にキャンターEセルを使用する。
欧州市場向けのキャンターEセルはポルトガルのトラマガル工場で生産する。キャンターEセルは容量48.4kwのリチウムイオン電池を搭載。1回のフル給電で100キロメートル以上を走行できる。
トラマガル工場では2012年から小型ハイブリッドトラック「キャンター・エコ・ハイブリッド」を量産している。