独高級車大手のBMWは7月31日、ドイツのヴァッカースドルフ工場に建設した新生産棟で炭素繊維複合材(CFRP)の加工ラインを稼働させた。何枚ものCFRPを重ねてスタックを生産し、スタックを切断・溶着させた後、ドイツのライプチヒ工場に輸送する。従業員約180人がCFRPのスタック生産に携わる。
新しい生産棟の面積は8,250平方メートル(幅50メートル、長さ165メートル)。新設加工ラインの生産能力は、ヴァッカースドルフ工場にあった初代のCFRP加工ラインに比べ2倍に拡大する。生産棟の建設と加工ライン設置への投資は2,000万ユーロ。
BMWは電気自動車やプラグインハイブリッドなどの電気駆動システム搭載車(エレクトロモビリティー)を販売するBMW iブランドだけでなく、その他のモデルシリーズにもCFRPを投入していく意向を示している。
新たに開発した加工ラインでは、CFRPを幅3メートル、長さ15.8メートルまで広げ、CFRPを最大で15枚まで重ねることができる。何枚もCFRPを重ねたスタックを切断し、超音波溶着によりCFRPを接着する。
この接着した状態のCFRPスタックは、ドイツのライプチヒ工場に輸送され、同工場で圧縮、樹脂加工、切断などの工程を経て、車両の客室(パッセンジャーキャビン)構造部に組み込まれる。