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2014/8/29

総合 – 自動車産業ニュース

欧州委が燃費・排気ガスの新試験法を検討、公道走行の計測義務化

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は自動車のカタログに掲載されている燃費や排気ガスの排出量と実走行での計測値の乖離を解消するため、メーカーに公道走行による計測を義務付ける方向で検討を進めているもようだ。ロイター通信が8月20日 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は自動車のカタログに掲載されている燃費や排気ガスの排出量と実走行での計測値の乖離を解消するため、メーカーに公道走行による計測を義務付ける方向で検討を進めているもようだ。ロイター通信が8月20日、EU関係者の話として報じた。欧州委は加盟国に対し、年内に新ルールを提案する方針という。

一般に燃費の場合、実走行での「実燃費」がカタログに掲載されている数値を下回っていることが多いが、これはカタログ燃費が各国・地域の実情に合わせて策定された「テストサイクル」と呼ばれる走行パターンに基づいて計測されているためだ。EUでは9月1日から、燃費や排気ガスの排出量を実際の走行状態に近い状態で計測するために策定されたテストサイクルの世界標準である「WLTC(World Harmonized Light Duty Test Procedure)」が採用されるが、ロイターによると、欧州委は燃費よりも二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、微粒子(PM)などの排出量を正確に計測することに主眼を置き、公道走行に基づく新たな計測方法の導入を計画している。

欧州委が昨年まとめた報告書によると、走行時のCO2排出量はテストサイクルに基づく計測値を平均3割上回り、NOxの排出量は2009年に施行された排出ガス規制「Euro5」の規制値(走行1キロメートル当たり0.18グラム)の約5倍に上った。9月に導入される新たな排ガス規制「Euro6」では、欧州市場で広く普及しているディーゼル車を中心に規制が強化され、NOxの排出基準は現在の半分以下の0.08g/kmに引き下げられる。しかし、いくら規制を強化しても、テストサイクルに基づく計測値と実走行での排出量の間に大きな差があれば、規制の意味が薄れる。このため欧州委は新たな計測方法として、公道走行で計測する方法や、ランダムな走行パターンで計測する方法などについて検討を進めていた。

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