アルミ圧延およびリサイクル大手の米ノヴェリスは1日、ドイツのナハターシュテット工場に建設したアルミニウムのリサイクル工場を開設した。投資額は2億ユーロで、年40万トンのアルミスクラップを処理・加工する能力を持つ。リサイクル工場の従業員数は200人以上を見込んでいる。新工場の稼働により持続可能な循環型生産ビジネスモデルへの転換と生産工程における二酸化炭素(CO2)排出量の削減を進める。
ノヴェリスはアルミニウム原料を調達して加工する従来の直線的な生産モデルから、アルミスクラップをリサイクルして製品に加工する循環型生産事業モデルへの転換を進めている。2011年以降、約5億ドルを投資してアルミニウムのリサイクル工場を増強し、加工能力を年210万トンに拡大した。再生アルミニウムを使用すると通常のアルミ原料に比べ、ネルギー消費や二酸化炭素(CO2)排出量を95%減らすことができるという。
再生アルミニウムを原料に使用することにより生産工程における二酸化炭素(CO2)排出量を削減できる利点もある。
ナハターシュテットのリサイクル工場ではアルミスクラップを溶解・精製してインゴットに加工する。このインゴットをドイツのノルフ工場やスイスのシエール工場で熱間圧延して、欧州全域のノヴェリスの工場に供給。欧州各地の工場でアルミ板に加工した製品は、自動車や飲料メーカーなどに供給する。