独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコルン社長はこのほど、独『シュピーゲル』誌(10月13日発行)とのインタビューの中で、7月の社内講演で言及したVWブランドの利益率改善に向けた取り組みについて語った。ヴィンターコルン社長は講演の中で、利益率の目標である6%の達成に向け、2017年までにVWブランド全体で約50億ユーロのコスト削減を実施する方針を示していた。
『シュピーゲル』誌によると、ヴィンターコルン社長は具体的なコスト削減策として、需要の少ない装備のバリエーション削減やラインアップの見直し、自動車部品の外部調達強化などについて言及した。
例えばハンドルのバリエーションはVWブランドで156種類あり、中には革の縫い糸がグレーか赤の違いしかないようなバリエーションもあると指摘する。このため各モデルで5%以下の需要しかない特殊装備はバリエーションから削除していく。また、ラインアップについてもカブリオレは市場が縮小する中でモデル数が多すぎるとし、例えば「エオス」は製造を今後も続けるか真剣に検討する必要があると発言した。
自動車部品については、これまで内製してきた部品のうち外部調達に切り替えた方が賢明なものはないかを検討する必要がある、と語った。例えばブレーキディスクを部品メーカーから調達し、当該部品を生産しているブラウンシュヴァイク工場では別の高機能部品を生産することも考えられる、と説明した。
また、人員削減の可能性については、正規社員を削減する意向はないが派遣社員の投入規模を縮小する可能性はある、と言及した。