ロシア政府は、自動車買い替え奨励制度(スクラップインセンティブ)を来年以降も継続する可能性がある。景気減速で新車販売の低迷が続くと予想されるため。
ロシアでは9月からスクラップインセンティブが再導入され、新車の購入者に対して乗用車で4万ルーブル以上、商用車で35万ルーブル以上が助成されている。実施期間は今年いっぱいが予定されているが、10月25日付けロイター通信によると、産業貿易省は声明で、同制度を2015年以降も継続して実施する可能性に言及した。
ロシアの自動車市場は景気減速のあおりを受けて不振が続いている。ウクライナ情勢をめぐって欧米諸国がロシアに科している制裁措置も消費者心理の悪化に拍車をかけている。欧州ビジネス協会(AEB)の調べによると、1~9月の新車販売台数は前年同期比13%減の178万台だった。AEBは先ごろ、今年の新車販売予測を前年比12%減の245万台に下方修正した。