英国ロンドンに設置されている電気自動車(EV)用充電スタンドのうち、故障などにより使用が不可能となっているものがかなりの数に上っていることが明らかになり、問題となっている。
10月24日付けの日刊紙『デイリー・テレグラフ』によると、使用できなくなっている充電スタンドの正確な数は公表されていないものの、例えばテムズ川南岸のサザーク~ロンドン橋間にある12カ所のうち10カ所、バービカン周辺では8カ所すべてが使用不能となっている。
デイリー・テレグラフ紙は、こうした事態の背景には充電スタンドの管理運営体制をめぐる問題があると指摘する。ロンドンの充電ネットワーク「ソースロンドン」には現在、1,415カ所のスタンドがあり、仏複合企業ボロレ・グループ傘下でEVシェアリングサービスを展開するIERが運営に当っている。一方、スタンドの所有権はロンドンの各特別区、企業、地権者、充電器メーカーなどに分散しているため、故障の際の修理費用の負担をめぐって関係者間で意見が対立し、スタンドが修理されないまま放置されるという事態となっている。
IERは2018年までにロンドン市内の充電スタンドを5,000カ所に増やし、ボロレのEV「ブルーカー」を使ったEVシェアリングサービスを提供する計画を発表している。しかしデイリー・テレグラフ紙は、「短期的には充電ネットワークが確実に稼働するという見通しが立たない」として、批判的な見方を示している。