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2014/10/31

一般・技術・その他 (旧)

独フラウンホーファー研究所、VW用に組み立て作業用の軽量な腰掛けを開発

この記事の要約

ドイツのフラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(IPA)はこのほど、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の委託を受けて、自動車の組み立て作業用の軽量の腰掛(背もたれのない丸いす)を開発した。炭素繊維強化樹脂 […]

ドイツのフラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(IPA)はこのほど、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の委託を受けて、自動車の組み立て作業用の軽量の腰掛(背もたれのない丸いす)を開発した。炭素繊維強化樹脂の半製品と選択的レーザー焼結(SLS)製法による3Dプリンター技術を組み合わせたハイブリッド製法により、軽量かつ耐久性に優れた腰掛を開発することに成功した。VWはすでにこの腰掛を生産現場に投入しているという。

腰掛を使用して座って行う自動車の組み立て作業では、作業が終わる度に腰掛を手で持ち上げて次の車両に移動する必要がある。生産ラインではこの持ち運びの手間が何度も繰り返されるため、腰掛が軽いほど作業員の負担は軽減されるが、耐久性も求められていた。

IPAは、耐久性に優れた炭素繊維強化樹脂の使用と樹脂粉末にレーザーを照射して焼き固めるSLS製法の3Dプリンター技術により、腰掛の重さを2.3キログラム以下に軽量化することに成功した。これは従来の腰掛と比べると約半分の重さになるという。

IPAは3Dプリンター技術により、デザインの自由度が高まり、複雑で耐久性の高い構造を実現することができたとしている。また、同技術は、航空機や機械、医療、バイオテク分野にも活用できると見込んでいる。

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