仏PSAプジョー・シトロエンは、ハイテク技術コンサルティング大手アルトランと共同で、モロッコにエンジニアリングセンターを開設することを検討している。5日付けロイター通信が、事情に詳しい関係者の話として伝えた。
PSAは、カサブランカにあるアルトランの拠点に研究開発機能の一部をアウトソースする計画。1,500人を雇用し、CAD(コンピューター支援設計)やモデリング、テクニカルドキュメンテーションを手がける。さらに、モロッコで低コストモデルを生産することも検討しているという。
プジョーの広報はロイター通信の取材に対し、モロッコで生産する計画はないと述べ、カサブランカに研究開発センターを設ける計画についても認めなかった。アルトランはプジョーとの間に「新たな契約はない」とのコメントを発表した。
モロッコへの投資は、低コスト国への進出を強化し、競争力を高めることを目指すPSAの戦略において重要な意味を持つ。同国は近年、自動車産業や航空宇宙産業の発展が注目を集めており、自動車メーカーでは、ルノーが北部のタンジェで既に低価格車の生産を行っている。ただ、フランスから研究開発機能の一部を移管することには労働組合の強い反対が予想され、実現には大きな困難が伴いそうだ。