欧州で販売が低迷している米フォード・モーターは、新たに展開するプレミアム志向のサブブランド「ヴィニャーレ」が販売回復に貢献すると期待を寄せており、将来的にはヴィニャーレをブランドとして独立させたい考えだ。11月23日付けの英自動車雑誌『オートカー』が、フォード・ヨーロッパのサマルジッチ最高経営責任者(CEO)の話として伝えた。
ヴィニャーレは1948年にトリノで創業したコーチビルダーで、アルファロメオ、フェラーリ、フィアット、マセラティ、ランチアなど、主にイタリアの自動車メーカーの依頼を受けて少量生産車を生み出した。フォードは昨年9月のフランクフルトモーターショーで、ヴィニャーレとコラボレーションしたコンセプトカー「モンデオ・ヴィニャーレ・コンセプト」を公開。来年初頭から市販車の販売を開始する。サマルジッチCEOは、新しいラグジュアリーブランドであるヴィニャーレに大いに期待しているとしたうえで、ヴィニャーレが「好評を博し独立したブランドになるようにしたい」と語った。
ヴィニャーレはフォードの販売代理店で通常のフォード車とは別の独立した販売スペースで取り扱い、顧客には専任のアドバイザーが付くなどのサービスが提供される。