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2014/12/12

一般・技術・その他 (旧)

ボルボ・カーズ、新型「XC90」に道路逸脱事故安全システムを標準装備

この記事の要約

スウェーデンの乗用車大手ボルボ・カーズは5日、フルモデルチェンジしたSUVの新型「XC90」に道路逸脱事故発生時に乗員を保護するための安全システム機能「ランオフ・ロード・プロテクション」を標準装備すると発表した。シートベ […]

スウェーデンの乗用車大手ボルボ・カーズは5日、フルモデルチェンジしたSUVの新型「XC90」に道路逸脱事故発生時に乗員を保護するための安全システム機能「ランオフ・ロード・プロテクション」を標準装備すると発表した。シートベルトの拘束力強化により乗員を定位置に固定することおよびシートにより衝撃を緩和することの2点に重点を置いている。道路逸脱事故をシミュレーションするための衝突試験や試験装置も開発した。

同社によると、米国で発生する交通死亡事故の半数は道路逸脱事故による。また、スウェーデンの乗用車による交通事故は、単独での道路逸脱事故が重傷・死亡事故の3分の1を占めるという。

ボルボの研究によると、道路逸脱事故では脊椎を損傷するケースが多く、事故時に脊椎に圧力が伝わる際の乗員の姿勢が重要であると指摘している。このため、シートベルトにより乗員を定位置に固定するとともに、シートに衝撃吸収機能を持たせた。

■ 衝突テストや衝突試験ロボットも開発

ボルボはさらに、「空中」「側溝」「非舗装地面」の3種類の衝突テストを開発。「空中」は時速80キロメートルで車両が走行車線から逸脱すると、車両が空中に飛び上り地面に叩き付けられた時に大きな衝撃が発生する事故をシミュレーションする。「側溝」は深さ80センチメートルの側溝に車両が突っ込む事故、「非舗装地面」では舗装されていないでこぼこの地面に飛び出した際の衝撃や揺れを試験する。また、これらの衝突テストを実施するため、産業用ロボットをベースにした試験装置ロボットも開発した。

ボルボは2020年までに新しいボルボ車を運転するドライバーの死亡事故または事故による深刻な負傷者をゼロにする目標を掲げており、今回発表した安全システムも同取り組みの一環に位置付けている。

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