鉄鋼大手タタ・スチールは14日、鋼板の品質管理の分野でオランダ天文学研究所(NOVA)と提携することで合意したと発表した。
タタ・スチールは生産ラインを高速で移動する鋼板の表面の0.01ミリ単位の欠陥や汚染を自動で検知するソリューションを模索している。NOVAは夜空のわずかな変化を継続的に追跡する科学的手法を開発した。天文学者は変化を検知すると、さまざまな望遠鏡を使って変化から放射された光を分析。これにより恒星や惑星の化学組成に関する多くの情報が得られる。
タタ・スチールはNOVAと協力し、NOVAが開発した手法を鋼板の品質管理にどの程度応用できるかを探りたい考え。協力の分野は欠陥の検知能力だけでなく、大量データの高速処理にも及ぶという。ラドバウト大学教授でNOVAの所長を務めるグルート氏は、「我々の検知技術が高品質でサスティナブルな製品につながることを期待している」とコメントしている。