独軍需・自動車部品大手のラインメタルは5月27日、ポーランド軍向けに水陸両用の装甲車を開発する合弁会社を設立すると発表した。独商用車大手MANトラック・アンド・バスとの合弁会社ラインメタルMANミリタリー・ビークルズ(RMMV)とポーランドの国営軍需企業Polska Grupa Zbrojeniowa(PGZ)およびPGZ傘下の研究開発子会社Obrumが提携契約に署名した。
具体的には、偵察任務などに使用する6輪駆動(6×6)装甲車を開発する。重量は20トン以下、積載量は3.5トンの車両を開発する。また、当該モデルや派生モデルの輸出も計画している。
ポーランド軍はソビエト連邦時代の4輪駆動(4×4)の偵察車両を刷新する計画という。
■ ポーランド軍、軍事近代化を加速・ウクライナ情勢不安定で
5月27日付の独経済紙『ハンデルスブラット』によると、ポーランド軍は総額3億ユーロ以上を投資して装甲車約200台を調達するもよう。
ポーランド政府はソビエト連邦時代に調達した兵器の刷新を進めていたが、ウクライナ情勢の不安定化を受けて、軍隊を近代化する動きを加速しているという。ポーランドは冷戦時代、主にソビエトから兵器を調達していたが、北大西洋条約機構(NATO)に加盟している現在は主に西側諸国から兵器を調達している。ただ、将来は国内で兵器を製造できる能力を持つことを目指しており、西欧企業との合弁会社を設立する形で国内企業の技術力を強化しているという。