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2015/7/31

一般・技術・その他 (旧)

スイス研究チーム、ハイブリッド清掃車両を開発

この記事の要約

スイス連邦材料試験研究所(EMPA)、チューリッヒ工科大学(ETH)、道路清掃車や除雪車、ゴミ収集車を製造するスイスのブーヘル・ミューニシパル(Bucher Municipal)は、連邦技術革新委員会(KIT)が支援する […]

スイス連邦材料試験研究所(EMPA)、チューリッヒ工科大学(ETH)、道路清掃車や除雪車、ゴミ収集車を製造するスイスのブーヘル・ミューニシパル(Bucher Municipal)は、連邦技術革新委員会(KIT)が支援するプロジェクトの一環として、天然ガスと電気をエネルギーとするハイブリッドシステムを搭載した道路清掃車を開発した。従来の清掃車両に比べエネルギー消費量を約半分に、二酸化炭素(CO2)排出量は60%以上削減できるという。

清掃車は、車両の駆動装置、ゴミの吸引力を発生させるためのファン、路面を清掃するためのブラシで構成されている。従来の清掃車両は、ディーゼルエンジンや油圧弁でこれらの装置を駆動させている。

研究チームが開発したシステムは、ガスエンジンで発電し電気モーターに電力を供給する仕組み。ガスエンジンは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、液化ガスエンジン、燃料電池、バッテリーに置き換えることも可能なモジュール式となっている。モジュール式では幅広い顧客ニーズに対応できる利点があり、ブーヘル・ミューニシパルは現在、同コンセプトの商用化に向けた調査を実施している。

研究チームによると、清掃車両の1日当たりの稼働時間は6~8時間で、ディーゼル燃料の消費量は1時間当たり約5リットル、年間では約1万リットルになる。これは典型的な乗用車の燃料消費量の約10倍に相当するという。また、清掃車両など自治体の車両は、総数が少ないにもかかわらず、道路交通のエネルギー消費の最大15%を占めているとのドイツの調査結果もある。

このため、研究チームは、調達費や稼働コストを含めた車両の総コストを従来車両と同水準以下に抑えつつ、従来のディーゼル車両に比べエネルギー消費を45%削減することを目標に掲げた。

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