独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)とスズキは8月30日、ロンドンの国際商業会議所国際仲裁裁判所の裁定を受け、資本提携を解消すると発表した。仲裁裁判所はスズキが求めた提携契約の解除を認めたほか、VWが主張したスズキによる契約違反の一部を認めた。スズキはVWが保有するスズキの株式19.9%を買い戻す。契約違反による損害賠償額については引き続き仲裁裁判所が審議する。
両社は2009年12月に包括提携し、環境技術や小型車の生産技術などで協力することで合意したほか、VWはスズキの株式の19.9%を、スズキはVWの株式の1.5%を取得した。しかし、スズキはVWが同社への影響力を拡大しようとしているとの認識を示し、独立した協力関係の維持や業務提携の目的の達成が困難であるとしてVW側に提携解消を求め、2011年11月にはロンドンの国際商業会議所国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てた。
一方、VWはスズキのインド子会社がフィアットからのディーゼルエンジン調達を決めたことに対し、契約違反であると主張していた。