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2016/6/10

企業情報 - 自動車メーカー

独ダイムラー、定置用リチウムイオン蓄電池子会社を設立

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーは2日、メルセデス・ベンツブランドの定置用リチウムイオン蓄電池を開発・販売する子会社メルセデス・ベンツ・エナジーを設立したと発表した。新会社の設立により、今後の市場拡大が見込まれる定置用リチウムイ […]

独自動車大手のダイムラーは2日、メルセデス・ベンツブランドの定置用リチウムイオン蓄電池を開発・販売する子会社メルセデス・ベンツ・エナジーを設立したと発表した。新会社の設立により、今後の市場拡大が見込まれる定置用リチウムイオン蓄電池市場においてより柔軟に対応できる体制を整える。定置用および自動車用のリチウムイオン電池の生産は引き続き、ダイムラーの100%子会社であるドイッチェ・アキュモーティヴが行う。

ダイムラーは昨年、リチウムイオン蓄電池の組み立てを事業とする子会社ドイッチェ・アキュモーティヴが定置用蓄電池市場に参入すると発表した。産業用および家庭用の定置用蓄電池を国内外で販売していく計画で、家庭用蓄電池はすでに出荷を開始しており、産業向け大型蓄電施設のプロジェクトもスタートした。

新会社メルセデス・ベンツ・エナジーの本社はドイツ東部のザクセン州カーメンツに置く。家庭用および産業用リチウムイオン蓄電池の開発・販売・施工を事業とする。今後は事業の国際化を進めるとともに、提携により事業拡大を加速する方針。

これに対し、ドイッチェ・アキュモーティヴは、定置用および自動車用リチウムイオン電池の生産と自動車用リチウムイオン電池の販売に注力する。2017年からメルセデス・ベンツのすべてのモデルに電池を供給する予定。

メルセデス・ベンツ・エナジーとドイッチェ・アキュモーティヴは6月22~24日までミュンヘンで開催されるエネルギー貯蔵システム見本市「EES Europe」に製品を展示する。

■ 新子会社の従業員、17年末までに200人に

ダイムラーは2016年3月に、ドイッチェ・アキュモーティヴの生産能力を大幅に増強するため、約5億ユーロを投資してカーメンツの既存工場の隣接地に新工場を建設する計画を発表した。現在、カーメンツ工場には330人が勤務している。メルセデス・ベンツ・エナジーは当初、従業員50人で事業を開始する。従業員数は2016年末までに100人に増え、2017年末までにはさらに2倍の200人に増員する計画。新子会社の社長には2016年7月1日付でマークス・トーマス氏が就任する予定。同氏はダイムラーグループで従来の駆動システムおよび代替駆動システム分野に携わってきた経歴を持つ。

ドイッチェ・アキュモーティヴは2009年の設立で、シュツットガルト近郊のナーベルンに本社を置く。ナーベルンの本社は研究開発機能を持ち、工場はカーメンツにある。これまではダイムラー傘下の乗用車ブランドであるメルセデス・ベンツおよびスマートのハイブリッド車や電気自動車向けにリチウムイオン電池を開発・生産してきた。

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