独自動車部品大手のZFフリードリヒスハーフェンは19日、自動輸送システムを提供するオランダの2getthereの資本の60%を取得したと発表した。2getthereは、空港や産業パーク、テーマパークなどで電気駆動の無人輸送システムを提供している。買収金額は公表していない。
ZFは、2getthereへの出資により、今後の成長が期待されている「マース(Maas)」と呼ばれる「サービスとしてのモビリティ(Mobility-as-a-Service)」や無人輸送システム、自動運転車のシェアリング(SAV:Shared Autonomous Vehicles)の分野を強化する。
ZFはすでに、電気自動車の開発ベンチャー企業であるドイツのe.Go Mobileと合弁会社e.Go Mooveを設立し、自動運転ミニバス「e.Go Mover」の開発・生産に取り組むなど、電気駆動やモビリティサービス、自動運転の事業に着手している。2getthereへの資本参加により、これらの取り組みをさらに強化する。
ZFは、2getthereの自動輸送システムに関する豊富な実績やエンジニアリング、ソフトウエアに関するノウハウを今後の事業に生かすことができる。2getthereはユトレヒトの拠点におけるエンジニアリングおよびソフトウエア開発分野の人員を現在の60人から2倍に増員する計画。また、ZFは2getthereに対し、電気駆動システムやセンサー、高性能計算(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)などの分野で協力することができる。
2getthereは1984年の設立。オランダのユトレヒトに本社を置き、米サンフランシスコやドバイ、シンガポールにも拠点を持つ。