仏自動車大手のルノーは15日、今月21日~24日に開かれる世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、ブラジル南部にあるクリチバ工場がラテンアメリカにおいてインダストリー4.0(I4.0)に初めて対応した「先進工場」として表彰されると発表した。同受賞は2019年の仏クレオン工場に続き2例目となる。
今回の受賞では、クリチバ工場におけるサプライチェーン(調達)から顧客に至るまでのエンドツーエンド(両端)ビジネスプロセスへの取り組みが評価された。具体的には、毎年生産する29万台に無線ICタグ(RFID)を付けて管理することで、顧客への納車時間が全体で30%短縮したほか、納期達成率が95.4%まで改善した。また、オンライン販売プラットフォームでこれまでに1万台以上を販売し、受注データを社内の物流部門と生産部門で共有できるようにした。さらに、230台の構内無人搬送車(AGV)を導入して生産プロセスを自動化し、従業員の労働負荷を軽減している。
ルノー・グループは現在、世界の約40工場で生産ネットワークを近代化しており、70を超えるI4.0関連のプロジェクトを進めている。