2020/6/12

企業情報 - 自動車メーカー

ディース社長、VW乗用車ブランドのCEO解任

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)・グループは8日、グループの中核ブランドであるVW乗用車の最高経営責任者(CEO)の交代人事を発表した。これまでは、VWグループのヘルベルト・ディース社長が同職を兼任していたが、V […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)・グループは8日、グループの中核ブランドであるVW乗用車の最高経営責任者(CEO)の交代人事を発表した。これまでは、VWグループのヘルベルト・ディース社長が同職を兼任していたが、VW乗用車ブランドのラルフ・ブラントシュテッター最高執行責任者(COO)が7月1日付でCEOに昇格する。VWは今回の人事について、ディース社長がグループトップとしての業務に注力するための余裕を確保するためと説明しているが、ディース社長が社内イベントで監査役会を批判したことが今回の権限縮小の背景にある。VWは9日付のプレスリリースで、「ディース氏は、社内イベントでの発言について、不適切で間違っていたと監査役会のメンバーに謝罪した。監査役会は謝罪を受け入れ、同氏の今後の業務を支援する」と発表している。

メディア報道によると、ディース社長は6月4日に催されたトップマネージャー3,400人が参加した会議で、監査役会が社内情報をメディアに漏らしたことに言及し、「犯罪行為だ」と批判した。

■ メディアに情報漏洩、監査役会を批判

具体的には、ディース社長が契約延長について、当該案件の担当で監査役副会長である金属労組IGメタルのイェルク・ホフマン会長に打診したことや、VWの主力車である「ゴルフ」の新型車や電気自動車「ID.3」のソフトウエアに問題があり、生産に支障が出ていることが相次いでメディアで報じられたことが背景にある。ディース社長は社内イベントで、「(情報源は)監査役会であることは明らかだ」と指摘した。

メディア報道によると、監査役会はこれを受け、イベントが開催された4日とさらに8日に会議を開き、ディース社長の両職の解任についても議論したとされる。ただ、コロナ禍で大幅なコスト削減が必要とされる中での社長交代は不適切との見方があるほか、筆頭株主であるポルシェ/ピエヒ家がディース社長の支持を表明したため、グループトップの続投が決まったと報じられている。

VW乗用車ブランドの新CEOとなるブラントシュテッター氏は、1968年生まれでブラウンシュヴァイクの出身。VWで職業訓練を受けた後、大学でインダストリアル・エンジニアリングを専攻し1993年にVWグループに入社した。VWのスペイン子会社セアトの取締役(調達担当)などを務めた経歴を持つ。2015年12月にVWブランドの調達担当取締役に就任し、2018年8月1日からはVW乗用車ブランドのCOOを務めていた。