デジタル地図大手のヒア・テクノロジーズは16日、商用ドローンの運用を手掛ける独新興企業フライネックス(Flynex)と共同で、ドイツ国内の空域を3Dマッピングする作業に取り組んでいることを明らかにした。独連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)が進める「DaViLus」(空域構造のデータ可視化)プロジェクトに向けたもので、地上の道路網で実現している精密な3D地図を低空域でも作成し、ドローンを活用したインフラ調査などに役立てる狙いがある。
ヒアの持つ正確な3Dマッピング技術や位置情報と、フライネックスの効率的なドローン飛行の運用能力を活用する。これにより、様々な大きさの建物が密集して立ち並ぶ都市環境でもドローンなどの無人航空機が安全に飛行できるようにするための3Dマップを作成していく。
フライネックスはすでに、電力会社が実施する電力網のメンテナンス作業におけるドローン活用で実績がある。送電網や送電塔などの保守点検作業では要員が直接赴くか、ヘリコプターなどから目視する必要があるが、ドローンを使うことで人的労働力の90%、コストを最大70%節減できるという。
フライネックスのダンシュ最高経営責任者(CEO)は、「低空域の3Dマップを活用することでドローンなどの無人飛行システムの安全性が向上する。これによりドローンによる新たなサービスを開発できる」と述べた。