ボルボ・カーズ、ブロックチェーン技術の採用拡大

スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは8日、英ブロックチェーン技術会社のサーキュラーに資本参加したと発表した。出資比率は公表していないが、同社の広報担当者は独業界紙『オートモビルボッヘ』に対し、小規模出資にとどまる、とコメントしている。今回の出資により、両社は今後、サーキュラーの技術を活用した追跡(トレーサビリティ)での協力をさらに強化し、さまざまな分野に採用していく方針を示している。

ボルボ・カーズとサーキュラーは近年、電気自動車のバッテリーの原料であるコバルトのサプライチェーンをブロックチェーン技術により追跡する取り組みで協力してきた。サーキュラーの技術は、ボルボ・カーズ初の完全電気自動車で今年後半からベルギーのゲント工場で生産を開始する予定の「XC40リチャージ P8」に導入されており、同モデルのコバルト追跡を100%可能にしている。

ボルボ・カーズは、リチウムイオン電池を中国のCATLと韓国のLG化学から調達しており、コバルトの追跡は両社の協力を得て実現した。

■ 追跡対象を拡大へ

両社は今後、追跡対象を、例えば、電気自動車のバッテリーパックの絶縁材料として使用される雲母など、コバルト以外にも拡大していく意向。また、二酸化炭素(CO2)排出量の追跡や削減など、サプライチェーン以外の分野にも協力関係を広げる可能性を探っていく。

今回の資本参加は、ボルボ・カーズのベンチャーキャピタル投資部門であるボルボ・カーズ・テック・ファンドが、サーキュラーによる資金調達の投資ラウンドへの参加を通して実施した。投資ラウンドには、システミック、トータル・トータル・カーボン・ニュートラリティ・ベンチャーズ、プラグ・アンド・プレイの3社も参加した。

上部へスクロール